有形固定資産(PPE)とは何ぞや!減価償却や減損損失もポイント!米国会計基準での考え方

USCPA関連
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FAR学習中の皆さん、有形固定資産(PPE)は得意ですか?

僕はあまり得意ではなく、苦手にしていた分野です。

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有形固定資産は工場や土地、建物など形がある資産です。流動性は低いですが、収益性は高い資産でもあります。

この有形固定資産でのポイントは減価償却、修繕維持費の費用の計上方法、処分にかかる事前の引き当て金などです。少しなじみのない科目かもしれませんが、試験に出てくる大事なポイントですので、頑張って取り組んでいきましょう。

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有形固定資産(PPE)とは?

有形固定資産とは、Property & Plant & Equipment、通称PPEのことです。

企業が1年を超える長期にわたって自社使用の目的の為に保有する、有形の(物理的実体のある)資産です。

例えば会社員の皆さんであれば、会社にあるPCが1年以上を超える長期にわたって、自社使用の為に企業が保有する有形の固定資産の一番身近な例だと思います。

その他にも、僕の住んでいる香港では歴史ある2階建てトラムが走っていたりしますが、その2階建てトラムはトラム運行会社が保有する有形固定資産となります。

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有形固定資産の購入

では、皆さんの会社にあるPCをイメージしてみましょう。

新しいPCを購入したい場合は、順序良く購入する必要があります。

Audit的な要素も絡めて、その流れを見てましょう。

①PC購入の許可を得る 

所属している部門長にPC購入の申請を行い、その申請を許可してもらいます。

②PCの発注をする

部門長の承認をもとに購買部(Purchase department)が発注(place in order)を掛け、発注書(purchase order)を3枚作成します。発注書(Purchase order)は連番管理されており、業者さん(Vendor)、受領部門(Receiving department)、経理部(Accounting department)に送られます。

③購入したPCを受け取る

受領部門(Receiving department)では購入したPCを受け取り、数量をカウントし、受け取りレポート(Receiving Report)を作成します。

④受け取りレポート(Receiving report)を経理部へ送付

受領部門(Receiving department)が作成した受け取りレポート(receiving report)と購買部(Purchase department)が作成した発注書(Purchase order)が経理部(Accounting department)へと送られます。

⑤仕訳と小切手の振り出し

業者さん(Vendor)から請求書(Invoice)が経理部(Accounting department)に届きますので、受け取りレポート(receiving report)、発注書(purchase order)、請求書(Vendor’s invoice)の3点セットをVoucher packageにします。仕訳を行い、小切手(check)を振り出し、財務部(Teasury department)に送付します。

例えばPCの総額がUS$500だったとすると、以下の仕訳が成り立ちます。

(Dr.) PPE               500

       (Cr.) Cash          500

⑥支払い

財務部(Treasury department)は経理部(Accounting department)から小切手(check)を受け取ります。に財務部長(Treasurer)がサインをし、それを業者さん(Vendor)に送ります。

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こんな感じでやっとPCをゲットしました。

購入の際に発生する諸費用

先ほどPCをUS$500で購入するプロセスを見てきましたが、このUS$500の中にはPC本体の他に様々な費用が含まれています。

このUS$500を取得原価といい、このPCを動かすに当たり、必要不可欠な支出もこの取得原価に含める必要があります。つまり資産計上します。

例えば、香港の電気街である深水埗の黄金電脳廣場でPCをUS$470で購入したとし、オフィスがある中環まで運搬が必要です。GOGOVANというトラック系の運搬アプリを利用し、運賃がUS$15かかりました。

そして、その運搬中に壊れてしまう可能性があるので、GOGOVANのオプションサービスで、運搬中に壊れた場合に保障をしてもらえる保険を掛けたとします。その保険がUS$5かかりました。

301 Moved Permanently

無事オフィスにPCが到着しました。ですが、僕を含め、オフィスの誰もがPCに弱い場合は、設置と初期設定をしてくれる業者をまた呼ばないといけません。香港にはこういう業者が沢山いますので、安くでやってもらえました。料金はUS$10でした。

まとめると以下が取得原価となります。

PC本体(Purchase Cost):US$470

運賃(Freight in):US$15

保険(Insurance cost):US$5

設置・設定コスト(installation cost, testing cost):US$10

合計(Acquisition cost):US$500

他にも、土地・建物の購入であれば、不動産業者への手数料、建設前の既存の建物の撤去コスト、建設中の金利、資産除去債務(Asset Retirement Obligation or ARO)などが資産計上されます。

有形固定資産購入後に発生した諸費用の処理

PCを購入した後には様々な費用が発生しますよね。

例えば、定期的にメンテナンスをしないといけないとか、ハードディスク容量を大きくしたりとか、色々とお金がかかるものです。

この購入後に係る費用の処理方法も、有形固定資産の問題となりやすい部分となりますので、見ていきましょう。

有形固定資産購入後に資産計上する場合

さて、PCを使い始めましたが、容量があまりにも小さすぎて、動作が遅かった為、業者さんに頼んで、容量を大きくしてもらいました。そのコストがUS$50かかりました。

このような支出は、PCの効率を向上させているので、資産計上します。

つまり購入した後も、ある条件を満たせば、その支出を有形固定資産に資産計上できるのです。

その条件は2つあり、先ほどのPCの例を取ると、容量の増大はPCの効率性を向上させました。これを英語でImprove efficiencyといい、資産計上できる条件の一つになります。

もう一つの条件は、耐用年数が延長される場合(extend useful life)です。

買ったPCの耐用年数を5年と見積もっていた場合、何らかのアップデートをし、耐用年数が10年に延びた場合は、そのアップデートにかかった支出は資産計上可能です。

購入後に資産計上できるのは、以下のいずれか当てはまる場合。

  • Improve efficiency
  • Extend useful life

有形固定資産購入後に費用処理する場合

購入後にかかった支出を費用処理する場合は単純で、PCの効率が向上せず、また耐用年数も伸びない場合です

例えば、年に1回のPCの定期的なメンテナンスなどは、費用処理の典型です。

問題などを解いていけばわかりますが、例えば企業は資産計上の条件を、US$5,000以上のコストがかかり、かつ効率性を上げるもの等の基準を定めていることがあるようです。

その場合、US$5,000未満で効率性を上げる支出であっても費用処理されることになります。

減価償却

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有形固定資産で必ず出てくるのが、この減価償却。英語ではDepreciationとなります。

先ほどのPCを再度例にとりましょう。

2019年に本体US$470、その他費用US$30の計US$500で資産計上したPCですが、1年後には購入した時とは、同じ価値ではありません。

企業は独自にその有形固定資産をどのくらい使うか、という耐用年数と呼ばれるものを定め、その有形固定資産の特徴に合わた方法で費用化していきます。

例えば、2019年に買ったPCを5年間に渡って使用すると決めました。そうすると、そのPCの耐用年数は5年ということになります。減価償却はその耐用年数に渡って、資産計上したUS$500を費用化していくということです。

定額法(Straight-line  Method)をいう方法で償却していく場合、2019年1月に購入したPCであれば、2019年の減価償却費はUS$500÷5年のUS$100となるのです。

翌年も同じくUS$100を費用化していきます。

このように購入時に資産計上した有形固定資産は、使用と共に費用化していくのです。

仕訳は

(Dr.) Depreciation expense                   100

       (Cr.) Accumulated depreciation          100

Debit側には費用であるDepreciation expense(減価償却費用)、Credit側には資産のマイナス勘定であるAccumulated depreciation(減価償却累計額)を計上します。

そして、有形固定資産の簿価(Carrying amount)は取得原価-減価償却累計額で表示します。

※ただし、土地は減価償却しないので、そのままの取得原価で認識します。

ですので、2019年期末のGun-Chanの会社のPCの簿価は、US$400となるのです。

減価償却の方法については、別途まとめようと思います。

減損損失

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最後に減損損失を紹介します。減価償却と似ていますが、減価償却ではありません。英語でいうとImpairmentです。

USCPAを目指す人が勉強する米国会計基準では、減損損失を3つのステップに分けて処理をしていきます。

例えば、2019年に購入したGun-Chanの会社のPCが、2年後の2021年には市場価値がUS$10となったと仮定します。理由は、とてつもない新型PCが発明された為です。

2021年の期首のPCの簿価はUS$300なのですが、市場価値US$10しかないので、中古で売りに出してもUS$290の損を出してしまう見積もりになります。またこの簿価US$300のPCが、この先3年に渡って生み出すキャッシュフローはUS$200とし、そのキャッシュフローの現在価値はUS$100とします。

つまり、US$300の簿価のPCが、実際はUS$10の価値しかないので、そのUS$10まで簿価を下げようという会計処理が減損損失となるのです。

仕訳

(Dr.) Loss on impairment                        290

      (Cr.) Accumulated impairment loss          290

減損損失|証券用語解説集|野村證券
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減損損失のステップ①

減損の兆候の有無の判断

例えば、2019年に購入したGun-Chanの会社のPCが、2年後の2021年には市場価値がUS$10となったと仮定します。理由は、とてつもない新型PCが発明された為です。

>>「とてつもない新型PCが発明された」ことによって、今保有している資産の著しい市場価値の下落が予想されます。これが減損の兆候の1つです。他にも減損の兆候は、今回の例の市場価値の著しい下落を含め6つあり、そのいずれか一つにでも該当すると「減損の兆候有り」と判断されます。

減損損失のステップ②

回収性テスト

2021年の期首のPCの簿価はUS$300なのですが、市場価値US$10しかないので、中古で売りに出してもUS$290の損を出してしまう見積もりになります。またこの簿価US$300のPCが、この先3年に渡って生み出すキャッシュフローはUS$200とし、そのキャッシュフローの現在価値はUS$100とします。

>>ステップ①で減損の兆候有りと判断された場合、その資産が残りの耐用年数の期間にわたって得られるUndiscounted Cash flows(割引前キャッシュフロー)が、簿価を下回った場合に「減損の兆候有り」から「減損を認識」に変更されます。

Undiscounted cash flows > 簿価の場合は、減損の兆候があっても、減損を認識することはありません。ここで大切なのが、簿価との比較対象がUndiscounted cash flowsであること、Discounted cash flows(キャッシュフローの現在価値)ではないので、要注意です。

減損損失のステップ③

減損の測定

つまり、US$300の簿価のPCが、実際はUS$10の価値しかないので、そのUS$10まで簿価を下げようという会計処理が減損損失となるのです。

 

仕訳

(Dr.) Loss on impairment                        290

      (Cr.) Accumulated impairment loss          290

>>その後はUS$10の価値しかないPCを、残りの耐用年数に渡って減価償却していきます。もし、その後やっぱり昔のPCが使いやすかったと世間がなり、市場価値がUS$250まで回復したとします。そのような市場価値の回復・上昇があった場合も減損の戻し入れは行いません。

有形固定資産の減損は、減損の兆候がある場合のみ回収性テストを行い、減損を認識するという方法を取っていますが、別途紹介する無形資産(例えば特許権や商標権)は毎年1回必ず減損の処理を行います。

まとめ

ざっくりとでしたが、僕が働いていた会社のPCを例に取り、有形固定資産をまとめてみました。

有形固定資産は本体の購入価格に加え、購入に際し、(①)な支出は有形固定資産の(②)に算入する。

その有形固定資産の購入後に支出した、(③)で(④)のいずれかを満たす支出は資産計上する。

また有形固定資産の簿価は、取得価格 – (⑤)で測定する。

有形固定資産は試験でもよく出てくる分野です。特に何を取得原価に含めて、また減価償却と減損損失はどのように、どのタイミングで認識・処理するのかをはっきり頭の中で整理できていることが重要です。

では、皆さんUSCPA取得頑張りましょう!

この内容が誰かの役に立てれば幸いです。

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