売掛金(Accounts Receivable)とは何ぞや!ポイントは貸倒れ引当金!基本的なことを米国会計基準で学ぼう

USCPA関連
スポンサーリンク

米国会計基準での売掛金(Accounts Receivable)に関して纏めようと思います。

f:id:Gun-Chan:20200221213030p:plain

売掛金(Accounts Receivable)は仕事をしている人であれば、結構なじみある勘定だと思います。ほとんどの業種で、売掛で商品やサービスを販売しています。経理や財務を職種としている人でなくても、営業の職種で売掛金は良く出てくる項目です。財務会計では、この売掛金に貸倒れ引当金(Allowance for doubtful accounts)が出てくるのがややこしくなります。

スポンサーリンク

売掛金(Accounts Receivable)とは

売掛金とは、商品を販売した時点では現金の回収を行わず、例えば支払い日を月末締めの翌月15日払いとするような掛売りをした際に発生する流動資産項目です。

多くの業種で、販売した商品やサービスの請求をその場では行わず、一月単位や半月単位でまとめて請求をすることが多いと思います。

売掛金は非常に重要な勘定科目となります。売掛金はPL(Profit & Loss)のsalesとcost of salesと密接に関連しており、当期のNet Incomeの数字に影響を与える勘定です。また財務会計だけでなく、管理会計においても経営の意思決定をする際に売掛金は重要な要素となるのです。

売掛金(Accounts Receivable)の発生と処理の流れ

f:id:Gun-Chan:20200221001145j:plain

売掛金は商品やサービスを掛けで販売し、その後代金回収を行います。因みに内部統制監査との関係で売掛金を考えると、職務の分離(Segregation of Duties)の観点から以下の流れで処理をします。

  • Sales DepartmentがSales Order(発注書)をおこし、 
  • Credit DepartmentがSales OrderをAuthorize(承認)し、
  • Shipping DepartmentがShipping(発送)を行い、
  • Accounting DepartmentがBook Keeping(記帳)とInvoice(請求書)の作成を行います。

売掛金(Accounts Receivable)の仕訳

US$1,000の商品を掛けで売った場合の仕訳は以下です。

(Dr.) Accounts Receivable     1,000

       (Cr.) Sales Revenue           1,000

Debit側にはBalance Sheet上の売掛金(Accounts Receivable)をもってきて、Credit側にはIncome Statement勘定のSales Revenueをもってきます。

仕訳を覚える際には、必ずBalance sheetの勘定なのか、Income Statementの勘定なのかを意識しながら覚えましょう。

そしてAccounts receivableはInventoryとセットです。売上が上がると、その分Inventoryが減少します。そして資産勘定であったInventoryはCost of Goods soldとして費用化されます。

売掛金(Accounts Receivable)を考える上で大事な貸倒れ引当金

f:id:Gun-Chan:20200221001518j:plain

売掛金勘定で大事なことがあります。それは貸倒れ引当金を考慮に入れることです。

売掛金(Accounts Receivable)は、貸倒れ引当金(Allowance for doubtful accounts)を差し引いた正味実現可能価格(Net Realizable Value)で表示します。

これは売掛金を回収できなくリスクを事前に見積もり、先に引き当てておこうというものです。これは資産のマイナス勘定として処理をします。

取引先等が倒産し、売掛金の回収が不能になった場合に備え、その回収不能額が合理的に見積もれる場合は、先にBad Debt expenseという費用を保守的に計上し、相手勘定を貸倒れ引当金(Allowance for doubtful accounts)という資産のマイナス勘定として仕訳を切っておきます。

資産のマイナス勘定なので、売掛金(Accounts Receivable)から引いた正味実現可能価格(NRV)値でBalance Sheetに計上します。

例えば、期末の売掛金(Accounts Receivable)に対して、US$200の貸倒れ引当金(Allowance for doubtful accounts)を計上したとすると、以下の仕訳になります。

(Dr.)Bad Debt Expense            200

         (Cr.)Allowance for doubtful accounts           200 

実際に貸倒れた時のことを少し

僕は売掛金が回収できなくなった状況を実際に経験したことがあります。新卒で入った会社で働いていた時、会社全体で取引していたお客様が突然倒産し、売掛金が回収できなくなったということがありました。

突然と言いましたが、企業は突然倒産することはありません。会社として、その予兆を見抜けなかったのでしょう。

Auditと絡めると、その取引先は継続会社として存続する能力に対し、重大な疑念があった(Substantial doubt about ability to continue as a going concern)はずその証拠に他の同業他社はその取引先とは取引を辞めていました。

ですが、僕の働いていた会社のその当時の営業は、同業他社からは仕事を受けてもらえなくなったその取引先から、仕事がどんどんもらえるようになった為、クレジットリスクをあまり重要視せず、沢山の仕事を売掛で受注していました。

結果、取引先が夜逃げのような形で倒産し、残ったのは多額の回収不能な売掛金でした。その取引先が倒産した時のことは、今でも鮮明も覚えています。

倒産の知らせを上司から受け、その約3時間後には、着の身着のままで飛行機に乗っており、結構被害が大きかった営業所に派遣されました。それから2日間は、あまり寝ることなく、取り急ぎの処理に追われていたことを覚えています。

売掛金(Accounts Receivable)の貸倒れの処理

貸倒れの会計処理には2つの方法があります。

  • 売上高比率法(Percentage of sales approach)
  • 売掛金残高比率法(Percentage of receivable approach)

売上高比率法(Percentage of sales approach)は当期の売上(Sales Revenue)に対して回収不能価格を見積もり、貸倒れ費用(Bade debt expense)を計上する方法です。

売掛金残高比率法(Percentage off receivable approach)は、当期末の売掛金残高に対して回収不能価格を見積もり、貸倒れ費用(Bad debt expense)を計上する方法です。

貸倒れの処理①:売上高比率法

f:id:Gun-Chan:20200221124403p:plain

  • 英語:Percentage of Sales Approach
  • 日本語:売上高比率法
  • 通称:IS approach

これはシンプルです。

売上高比率法(Percentage of sales approach)は当期の売上(Sales Revenue)に対して回収不能価格を見積もり、貸倒れ費用(Bade debt expense)を計上する方法です。

売上高比率法の仕訳と計算方法

例えば僕の働いている支店の2018年の売上をUS$100,000だとすると、

(Dr.) Accounts Receivable   100,000

       (Cr.) Sales Revenue         100,000

という仕訳が成り立ちます。

そのSales revenueに対して、貸倒れ引当率を掛ければいいのです。

貸倒れ引当率が5%とすると、以下のようになります。

(Dr.) Bad Debt Expense                               5,000

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts       5,000

翌2019年はUS$200,000の売上があり、かつ売掛金の回収がUS$50,000あったとすると、以下の仕訳を行います。

(Dr.) Accounts Receivable   200,000

       (Cr.) Sales Revenue         200,000

(Dr.) Cash                                      50,000

       (Cr.) Accounts Receivable         50,000

★ポイントは以下です。

※Sales Revenueに貸倒れ引当率を掛けるので、売掛金の回収額はAllowance for doubtful accountsには影響を与えません。

貸倒れ費用は以下となります。

(Dr.) Bad Debt Expense                               10,000

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts       10,000

売上高比率法のポイント

2019年当期の貸倒れ引当金計上額と、2019年期末の貸倒れ引当金累積額がポイントです。

2019年度単体の貸倒れ引当金計上額はUS$10,000。

2019年の貸倒れ引当金残高(もしくは累計額)は2018年のUS$5,000を合わせたUS$15,000となります。

貸倒れの処理②:売掛金残高比率法

f:id:Gun-Chan:20200221121906p:plain

  • 英語:Percentage of Receivable Approach
  • 日本語:売掛金残高比率法
  • 通称:BS approach

これは試験でも狙われやすい厄介者です。

売上高比率法との違いを明確にしておく必要があります。

 売掛金残高比率法の仕訳と計算方法

先ほどと同じように、僕の働いている支店の2018年の売上をUS$100,000だとすると、

(Dr.) Accounts Receivable   100,000

       (Cr.) Sales Revenue         100,000

という仕訳が成り立ちます。

今回は期末の売掛金に対して、回収不能額を見積もりますので、Accounts receivable総額に貸倒れ引当率を掛ければいいのです。

貸倒れ引当率が5%とすると、以下のようになります。

(Dr.) Bad Debt Expense                               5,000

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts       5,000

翌2019年はUS$200,000の売上があり、かつ売掛金の回収がUS$50,000あったとすると、以下の仕訳を行います。

(Dr.) Accounts Receivable   200,000

       (Cr.) Sales Revenue         200,000

 

(Dr.) Cash                                      50,000

       (Cr.) Accounts Receivable         50,000

★ポイントは以下です。

Accounts Receivableに貸倒れ引当率を掛けるので、売掛金の回収額はAllowance for doubtful accountsに影響を与えます。

2019年期末の売掛金総額は、2018年のUS$100,000に加え、2019年のUS$200,000、そして、回収したUS$50,000を引いた総額US$250,000となります。

(Dr.) Bad Debt Expense                               12,500

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts       12,500

はい、じゃ2019年の貸倒れ引当金はUS$12,500だね!

ではありません。そんな簡単ではありません。

この2019年のUS$12,500は、2019年の貸倒れ引当金残高(累計額)です。

2019年の貸倒れ引当金計上額は、2019年の貸倒れ引当金残高(累計額)のUS$12,500から、2019年期首、つまり2018年期末の貸倒れ引当金計上額US$5,000を差し引いたUS$7,500なのです。

売掛金残高比率法のポイント

ポイントは2019年当期の貸倒れ引当金計上額と、2019年期末の貸倒れ引当金残高(累積額)です。

2019年度単体の貸倒れ引当金計上額はUS$7,500。

2019年の貸倒れ引当金残高(累積額)は2018年のUS$5,000を合わせたUS$12,500となります。

売掛金(Accounts Receivable)の貸倒れ償却があった場合

売掛金は回収しないといけませんが、いくら優秀な与信管理部があったとしても、粉飾などが見抜けなった場合や、様々な要因で貸倒れが発生します。

実際に貸倒れ(Write Off)がUS$2,000あったとします。

その場合は、先に引き当てていたAllowance for doubtful accountsを取り崩せばいいのです。

(Dr.) Allowance for doubtful accounts   2,000

       (Cr.) Accounts Receivable                2,000

貸倒れた売掛金を回収できた場合は、Accounts Receivableを一旦戻し、その後売掛金回収の仕訳を行います。

例えば貸倒れたUS$2,000の内、US$500の売掛金を回収したとします。

(Dr.) Accounts Receivable                                500

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts           500

 

(Dr.) Cash                                      500

       (Cr.) Accounts Receivable         500

これは、どちらの方法を使っても同じです。

後発事象と売掛金(Accounts Receivable)

後発事象(subsequent event)と売掛金の問題も出てくるので、頭の中に入れておきましょう。

f:id:Gun-Chan:20200221121538j:plain

僕の勤めていた会社が売掛金を回収できなかったことはお話ししました。

では、その取引先が2019年に破産を申し立て、2020年のBalance sheet公表日前に清算が完了した場合を考えてみましょう。

2019年10月に取引先が破産の申し立てを行ったのを聞いて、その取引先の売掛金全額US$200,000が回収不能になることが見積もられたとします。

(Dr.) Bad Debt Expense                               200,000

       (Cr.) Allowance for doubtful accounts        200,000

2020年の1月15日、Balance sheet公表日前に、営業が頑張って売掛金US$180,000を回収したとします。

この場合、2019年末の時点で「売掛金が回収できない」という事象が発生しており、かつBalance sheet公表日前に売掛金が回収できたことから、2019年期末に遡及してBalance sheetを修正します。

修正の際のポイントは、前期末にBad debt expenseをUS$200,000と見積もっていましたが、実際はUS$180,000回収できたことから、実際のBad debt expenseはUS$20,000となる為、US$180,000のBad debt expenseは消します。

加えて、精算が完了したので、見積もりで引き当てていたAllowance for doubtful accountsも取り崩します。

仕訳は以下です。

(Dr.) Allowance for doubtful accounts   200,000 (取り崩した)

       (Cr.) Bad debt expense                        180,000 (使わなかった費用を消す)

               Accont Receivable                        20,000 (回収できなかった分を消す)

回収した現金は、2020年のBalance sheetに記載します。

(Dr.) Cash                                       180,000

       (Cr.) Accounts Receivable            180,000

この後発事象の場合も試験に出る可能性があるので、要注意です。

まとめ

売掛金は問題になりやすいポイントではないでしょうか。

では、まとめの軽い暗記です。

売掛金は(①)を差し引いた(②)でBalance sheetに計上する。

(②)は当期の売上に貸倒れ引当率を掛けた(③)と、当期末の売掛総額に貸倒れ引当率を掛けた(④)の2通りの求め方がある。

Gun-Chanは、貸倒れ引当金の問題が苦手でしたが、よくテキストを読んで仕訳で理解すれば、シンプルです。

そして、試験でも必ずと言っていいほど出題される項目だと思いますので、しっかりと理解して得点源にしていければいいなと思います。

今は大変かもしれませんが、USCPAを1科目でも合格すれば世界は変わります。僕は1科目合格で監査法人に入ることができました。

他のポイントもまとめています。宜しければ見てみてください。

有形固定資産(PPE)>>>

有形固定資産(PPE)とは何ぞや!減価償却や減損損失もポイント!米国会計基準での考え方
有形固定資産は英語でProperty, Plant & Equipmentで略してPPEです。普通に生活しているとあまり関わりの多くない分野かもしれません。ポイントは資産計上と費用処理。そして何と言っても減価償却。少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて繰り返しチャレンジしてまさに体得しましょう。

研究開発費とソフトウェアか開発コスト>>> 

研究開発費(R&D)とソフトウェア開発コストとは?米国会計基準での考え方のまとめ
研究開発費(R&D)とソフトウェア開発コストに関して。FAR学習中の皆さん、勉強辞めたくありませんか?果てしない量の内容を頭に入れて、試験の4時間の為に、下手したら何年もかけて勉強しないといけません。要領や頭のいい人だと、も...

債務証券>>>

社債や国債等の債務証券(Debt Securities)は分類が大事!米国会計基準での考え方
債務証券(Debt Securities)の分類に関して。債務証券は分類が大切です。保有目的により3つに分類することができます。問題になりやすい分野かなと思います。債務証券からの損益の処理方法も間違わないようにマスターしましょう。なじ...

皆さんも気合い入れて、乗り切りましょう!

Good Luck!

コメント

  1. ytatsu7 より:

    現在米国公認会計士合格に向けて勉強中です!大変ためになる記事ありがとうございます!

  2. Gun-Chan より:

    たつさん
    大変ですよね!
    将来に巻き戻ってると考えて、頑張りましょう!!

タイトルとURLをコピーしました