旅行会社への就職はおすすめできません | 元旅行会社社員が伝えたいこと。

仕事について
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海外の旅行会社(ツアーオペレーター)で5年働いていたGun-Chanです。

 

毎年大学生の就職希望ランキングで上位に必ず出てくる旅行会社。

 

好きな旅行を仕事にできて、海外とのやり取りも多そうで、しかも添乗員として世界中を飛び回れる旅行会社は就活生から見るととても魅力的に見えますよね。

 

この記事はそんな旅行会社に就職したい就活生に対して、旅行会社への就職をあきらめてもらうための内容です。

 

海外の旅行会社で、日本の大小さまざまな旅行会社をお客様として見てきた僕だからこそ言える、旅行会社の現実をお伝えしたいと思います。

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1、旅行会社は全く華やかではありません

旅行会社へのイメージとして、添乗員として海外を飛び回って華やかに見えるかもしれませんが、それは理想です。部署によっては海外旅行専門の部署もあるでしょうが、殆どが国内旅行をメインに扱い、たまに海外旅行の案件が入ってくるという感じです。

 

海外旅行の案件を扱ったとしても全くその土地には行ったこともない、なんてことは良くあることです。 

 

そして旅行という仕事は本当に泥臭い。そして旅行だけでなく、世の中の殆どの仕事が泥臭いということは就活生の皆さんは知っておいた方がいいと思います。

2、添乗員はまじで大変

旅行会社の採用ホームページに

 

旅行会社
旅行会社

企画から手配、実際の添乗まで全て行えるので、やりがいがあります!

 

と旅行会社のやりがいとして紹介されていると思います。

 

添乗員は海外を飛び回り、華やかに見えるでしょうが、実際は旅程の管理だけでなく、お客様の滞在中のお世話をしなければなりませんので、添乗に出ると早朝から深夜までお客様の御用聞きとなって何から何まで要望に応えなければなりません。

 

また添乗員には募集型企画旅行(いわゆるツアー)の添乗員として添乗するパターンと、企業や学校が社員旅行や研修旅行をする際に、その企業や学校を担当している旅行会社の営業パーソンが添乗員として旅行に添乗に行くパターンの2つのパターンがあります。

(1) 募集型企画旅行などの添乗員

新聞やネットなどで募集されているツアーの添乗員さんは、プロの添乗員と呼ばれる添乗を専門の仕事としている方々が添乗をされることが85%です。旅行会社に就職をすると、この募集型企画旅行のツアーに添乗することは殆どありませんが、殆どの就職を活動をしている就活生がイメージされている添乗員は恐らくこの募集型企画旅行のツアーの添乗員さんではないかと思います。

 

この添乗員という仕事は体力、精神力どちらも必要とします。

 

お客様からは、「添乗員さん、シャワーのお湯が出ないんだけど、どうにかしてくれる?」とか、「添乗員さん、このホテルの近くにどこか遊びに行けるとこない?」など、「そんなの自分で聞けよ」「googleで調べればわかるじゃん」といったことであっても嫌な顔せずに、笑顔で全力でお客様からの要望や質問に応えなければなりません。

 

また予め設定された旅程を漏れなく運行する必要があります。その募集型企画旅行のツアー商品に記載してある観光内容を一つでも運行できなかった場合や、料理内容が募集内容と異なっていたなどの場合、その程度に応じて旅程保証として旅行代金の数%をお客様に返金する必要があるのです。その為しっかりと旅程管理をしつつ、クレームを出さないようにお客様のお世話もしなければならないので、プレッシャーがかかりストレスのたまる仕事です。

(2) 旅行会社の営業パーソンとしての添乗員

旅行会社に就職して添乗に行くとすると殆どがこのパターンで添乗に行くパターンになります。これは旅行会社の法人営業の営業パーソンとして企業や学校をお客様とし、例えばその企業の社員旅行や研修旅行、視察旅行などに旅程管理者かつ営業活動という形で添乗するということです。

 

もうこのタイプの添乗は見るも無残です。

 

旅行の現場ではスケジュール通りに行かないことや、予期せぬトラブルが多発します。そういったトラブルはお客様からすると全部添乗員のせいです。添乗員はお客様の様子を伺いながら状況に応じて的確に判断して解決し、しかも夜の宴席の場では宴会を盛り上げる為に動き回らなければなりません。

 

朝はお客様よりも早く準備をして、現地のガイドさんと運行の確認を行い、夜は宴会を盛り上げた後、更に2次会、3次会の手配までしてあげたりと、寝る暇がありません。

3、とにかく給料が安い

就活生
就活生

給料よりもやりがいが大事です。

 

いや、給料は大事です。給料=やりがいと思って間違いないです。 

  

僕が旅行会社への就職をおすすめしない一番の理由がこれ。とにかく給料が安いです。最近、旅行会社最大手のJTBは「手数料ビジネスからソリューションを提供するビジネスへ」と旅行会社としての大きな転換にチャレンジされていますが、旅行会社は元々斡旋を行い、手数料を得ることを主なビジネスとしてきました。

 

大手の旅行会社にやっと就職できたとしても、ボーナスが雀の涙程度、なんて話はよく聞きます。また昇給もないから実家暮らしじゃないと生活できない、なんていうお涙頂戴の話も聞いたりしました。

 

これは仕方ないっちゃ仕方ない。だって旅行なんてぶっちゃけ旅行会社に頼まなくても、ちょっと手間と時間を掛ければ自分で航空券を手配することもホテルを手配することも今じゃオンラインで簡単にできちゃいますよね。

 

つまり誰でもやろうと思えばできちゃう仕事なんです。旅行会社はその手配の手間と時間を、お客様から手数料をもらって代わりにやっているビジネスなので、手数料率を低くして、その代わりに数をこなすことで収益を確保しているのです。要するに薄利多売です。

 

就活生
就活生

手数料を高くすれば解決するんじゃないですか? 

 

なんて声が上がりそうですが、手数料が高いのであれば、よほど難しい手配じゃない場合を除いて旅行会社は利用せず、自分で手配しますよね。

4、自分が旅行をする時に旅行会社を使いますか?

前の項目で少しお話ししましたが、正直言ってしまえば旅行会社を使わなくても、自ら旅行を手配しようと思えば手配できてしまいます。特に最近はオンラインでホテルや航空券を予約することができますので、旅行会社を利用しないという方も多いのではないでしょうか。

 

旅行会社への就職を考えている就活生の皆さんも、学生の間に国内旅行、海外旅行に行ったと思います。

 

それらの旅行を旅行会社に頼みましたか?

 

就活生
就活生

旅行の手配がすごい好きで、学生の時は自らホテルや航空券を手配してサークルの旅行の企画をして実際の運行管理もしていました。就職したら、その経験を旅行会社で活かせると思います。

 

旅行会社使ってなくない?

 

「自分が旅行会社使わないんだから、他の人も旅行会社使わないんじゃないか。」

 

「旅行会社を使う人が少ないということは、旅行会社ってこれから厳しくない?」

 

ということを、就活生の皆さんには一旦冷静になって考えてみて欲しいと思います。

5、頼みの法人向け旅行ビジネスも厳しい?

様々な意見がありますが、ここまでオンラインが発達した現在だと旧来の手数料で稼ぐタイプの旅行会社は厳しくなっていくのではないかと思います。

 

旅行会社
旅行会社

個人旅行は確かに需要はなくなるかもしれないが、法人向けの旅行ビジネス(MICEなど)はまだまだ需要がある。

 

このようなコメントを旅行会社の就職説明会で聞くことがあるでしょう。しかし実際、特に外資系の一般企業は直接ホテルや航空会社、レストランとやり取りして、社員旅行や研修旅行を90%自らで手配し、手配が難しい現地のコーディネーターやツアーガイドだけを旅行会社に依頼するといった流れが多くなっているような感覚を受けます。

 

旅行会社を通すと、その分業者が増えてしまいますので、コストが余分にかかり、手配のスピードと正確さも落ちます。旅行会社を通すことで、余計な手間が増えてしまうこともあったりするので、「だったら旅行会社通さずに直接やっちゃえばいいんじゃない。」と旅行会社を利用しない企業も増えています。

6、旅行は世の中が平和な時にしか成り立たない

旅行は平和な時でしか成り立ちません。旅行業は平和産業であるということです。

2020年は武漢発のコロナウイルスで世界中の人の動きがストップしたように、平和であるという前提があってこそ旅行があるのです。

 

紛争や戦争も旅行を控える大きな原因となります。

 

また、いくら平和であったとしても、景気が悪ければ無駄な支出が控えられます。就職活動中の皆さんも、お金がないと旅行はしませんよね。

 

旅行はこの無駄な支出の部類に入るので、平和で景気が良いという前提で旅行会社は存在しているのです。

 

旅行会社
旅行会社

これからは、旅行にどれだけ付加価値を出して、他社と差別化していけるかが大事だ。

 

旅行会社があの手この手を使って頑張って、付加価値を出して他社と差別化をしたとしても、コロナウイルスのような人間の手に負えない事態の元では無力です。2020年のコロナウイルスでは、旧来の旅行会社だけでなく、これまで右肩上がりだったオンライントラベルエージェンシーでさえも、人間の手に負えない事態では旅行を扱ってビジネスをしていくことは難しいということを痛感させられることになりました。

 

このように旅行会社は企業努力では乗り越えることができない不可抗力的なリスクを常に抱えていることを、旅行会社に就職を考えている就活生の皆さんには良く考えて頂ければと思います。

7、それでも旅行会社に就職したい!

就活生
就活生

僕は、給料が安くても、不可抗力なリスクを抱えていても関係ない。とにかく旅行を通して人々に幸せになってもらいたいんだ!

 

これは素晴らしいことです。そういう就活生を全力で応援したいと思います。

 

そこで海外の旅行会社に就職して5年間働いた僕が、やりがいと旅行会社の存在意義を感じた瞬間を共有させて頂きます。

旅行会社は人々の一生に残る思い出のお手伝いができる

旅行するお客様の99%は、何かしら旅行する前と旅行した後では、その人の人生がいい方向に変わったのを僕は見てきました。

 

印象に残っているのが、海外への修学旅行、ホームステイを手配した時です。

 

現地到着日にはただのやんちゃ坊主であった中学生が、現地の同年代の子どもたちとの国際交流、ホームステイを通して日に日に逞しくなっていき、最後のお別れの時にはまるで別人のように凛々しい顔になって日本に帰っていく姿を見た時がありました。

 

それまでの準備や手配は非常に大変なものでしたが、逞しくなった子どもたちが涙を流して現地の子どもたちとお別れをし、その後「色々とお世話になり、本当にありがとうございました。」とお礼をしてくれた時には、「この子たちの一生の思い出に残る仕事ができて本当によかった。」と旅行会社で働くことのやりがいを感じた瞬間でした。 

 

旅行会社でしかできないことは必ずある

いくらオンラインが発達しても、最後は現地に拠点を置き、現地にある旅行会社でしかできないことがあります。

 

事前予約ができない旅行素材の手配、支払い関係、日本語ツアーガイドの手配、実際の現地の状況の確認などです。

 

例えば予約を受け付けないレストランでどうしても食事をしたいというお客様がいる場合、旅行会社なら現地のパートナーを使って、独自のルートでそういったレストランが手配できることもあります。

 

また旅行会社を通すことで様々なサービスの支払いを一括にまとめてくれるといったことも、企業や学校が旅行会社を使うメリットです。

 

最近はツアーガイドを手配できるオンラインサイトもありますが、質の良い日本語のツアーガイドを手配することはやはり旅行会社でしかできません(これもいずれ手間を掛けずにできるようになるでしょうが。。。)。旅行を効率よく進めるには、経験豊富な日本語を話せる現地のツアーガイドを手配できる旅行会社の存在は大切です。

 

そして実際の現地の状況は、その地に拠点をもっている旅行会社が一番情報をもっています。例えば、オンライン上では分からない現地の詳しい情報は、実際に旅行に行った時のトラブルを未然に防ぐ為に大切な情報です。これは旅行のプロである旅行会社が一番よく分かっています。(例えばここは渋滞がひどい、治安が悪い、ここのバス会社は料金は安いが車両が古くて事故が多いので利用は避けた方がいい等)

 

オンライン上の情報だけ信じて行くと、実際に現地に旅行に行った時に思わぬトラブルに見舞われ、余計なコストがかかって結局旅行会社に対応を頼まざるを得ないというお客様も多く見てきました。

 

業界最大手のJTBが目指している「手数料ビジネスからソリューションを提供するビジネスへ」ということは、このように右から左へ流す旧来のビジネスから、一つ一つの案件に対して問題を見つけ出して丁寧に対応し、旅行会社でしか解決することのできないソリューションを提供することことで、旅行の質と単価を上げていくことなのではないかと思います。 

最後に

今旅行会社は生き残りをかけて様々な試行錯誤をしています。

 

僕は旅行業界で働いていた者として、旅行業界はこれからも存続して欲しいと考えていますし、旅行会社でしかできないことは絶対あると思っています。そして旅行会社を利用して旅行をした方が結局一番コスト的にも安くつくし、手間もかからないということを知っていますので、旅行会社の存在意義は強く感じています。

 

ですがこれから何十年と働くことになる就活生には、旅行会社の就職説明会では教えてくれない本当の旅行会社の現実を知ってもらいたいと考えています。この記事がそのきっかけになれば嬉しく思います。

 

では!

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